安全への取組み

GEヘルスケア・ジャパン株式会社 全身麻酔装置エスティバ7900 機械/手動換気切り替えスイッチの不良について

【2021年3月18日】
公益社団法人日本麻酔科学会
安全委員会

<製品名>
製品名:エスティバ7900
使用年数:7年(耐用期間:7年)

<事象>
不良発生後、機械/手動換気切り替えスイッチ(Bag/Vent)のレバーをVent側に切り替えてもベンチレーターが動作(ベローズが上下に動作)しなかった。

<原因>
エスティバ7900のBag/Ventレバー及びポジションセンサーの機能は、レバーの位置が、マニュアルバッグ側かベンチレーター側かをポジションセンサーにて識別し、ベンチレーターの動作開始と停止を行う。また、レバーは、機械的にマニュアルバッグ側と呼吸システム側(ベローズを含む)との切り替えをするよう設計されている。今回の事象では、呼吸システム側への機械的な切り替えは正常に動作していたが、ベンチレーターを作動させるためのポジションセンサーが正常に動作することが出来なかったことによる事象。このポジションセンサーとして使用しているマイクロスイッチ単体機能故障が、この事象発生の原因と判明。 また、マイクロスイッチ端子の金属部分が腐食していた件にいては、端子同士の接触面には腐食が無く通電可能状態であったこと、マイクロスイッチの切り替え動作信号がサービスモードで確認できなかった事から、前述のようにマイクロスイッチの機能故障と断定し、端子の金属部分が腐食したことによる動作不良ではないと判断している。

<対応>
①ご使用前の始業点検の実施。
Aestiva/5 取扱い説明書 - パート1の「4 術前チェックリスト」を参照し、「最初の患者に使用する前に毎日行うべき確認事項」と「各患者に使用する前の確認事項」に従い始業点検を行う中でベンチレーターの動作確認を実施する。

②取扱い説明書 - パート2の「5トラブルシューティング」を参照。

<委員会からのコメント>
修理報告等から本麻酔器の使用年数は7年でした。
今回の故障は明らかな金属摩耗などはなく,予測は非常に困難と思われます。
皆さま,始業点検や定期点検で動作確認することは,繰り返しになりますがご周知ください。

詳細は報告書をご確認ください。


《GEヘルスケア・ジャパン株式会社》(2021年3月)