安全への取組み

GE ヘルスケア・ジャパン社 TEC6プラス気化器デスフルランの不良発生

【2019年08月23日更新】
【2019年02月01日更新】
【2018年09月13日】
公益社団法人日本麻酔科学会
安全委員会

<製品名>
GE ヘルスケア・ジャパン社 TEC6プラス気化器デスフルラン
使用年数3年(耐用年数7年)

<事象>
TEC6プラス気化器デスフルランを使用し、低流量麻酔中に「NO OUTPUT」のインジケータが点灯しアラームが鳴った。ガスモニター上、EtDes 24%、FIO2 18%が表示され、薬液量を示すバーが急速に低下した。デスフルラン投与を中止しセボフルランに変更した。その後、「NO OUTPUT」の点灯が消えたため再投与したところ、同様の事象が起きた。

<原因>
メーカによる調査の結果,気化器の濃度設定ダイヤル回転弁の擦り合わせ部分全体に損傷があり,そのために麻酔ガスとフレッシュガスの流量調整に異常をきたしたと判明した.同様の事例は他施設からも報告されている.

<対応>
1.損傷の発生防止
使用にあたり以下の点に留意する.
・ダイヤル操作はゆっくりと回す
・気化器の取り外しや移動をする場合,ダイヤル部分を持たずに行う
・使用中は麻酔ガス濃度のモニタリングする(取扱説明書1-3参照)


2.「NO OUTPUT」アラーム発生時
使用中「NO OUTPUT」アラームが発生した場合は,気化器ダイヤルをOFFの位置まで回し,以下の対処を行う.
・麻酔剤レベルが20mL未満まで低下 → 麻酔剤を補充する
・電源障害が発生して10秒経過 → 電源ケーブルの接続を確認する
以上の対処をしても「NO OUTPUT」アラームが止まらない場合は使用を中止する.


詳細は報告書をご確認ください。


GE ヘルスケア・ジャパン社報告書(2019年6月7日付)
GE ヘルスケア・ジャパン社報告書(2018年12月25日付)

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(2019年8月23日)
本件以外にも、複数の施設で同様の事例が発生しています。使用中にこのような事象が生じた際は,まずは気化器をOFFにして、患者が安全な状態を維持できる吸入気と代替えの麻酔手段を考慮してください。
安全委員会 麻酔機器・麻酔手技安全対策専門
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