理事長挨拶
徳島大学大学院医歯薬学研究部
麻酔・疼痛治療医学分野 教授
田中 克哉
「日本循環制御医学会」は1980年、私が所属している徳島大学医学部麻酔学教室の初代教授である斎藤隆雄教授が創設した学会です。
齊藤教授は麻酔科の中で当時、麻酔薬と冠循環の研究をされていました。麻酔科の中で循環に興味がある先生、循環器内科の先生、循環器外科の先生、
循環に関する基礎研究を行っている先生が集まり循環について深く勉強をするという目的でこの学会を設立されました。
1994年に北海道大学医学部麻酔学教室の剱物修教授、2003年から九州大学大学院麻酔・蘇生学の外須美夫教授、
2012年から福井大学医学部麻酔・蘇生学講座の重見研司教授、2021年から九州大学大学院医学研究院 麻酔・蘇生学分野の山浦健教授が理事長を務め、
2023年6月から田中が引き継ぎました。
この学会は先述したように、「循環」というキーワードで循環を極めたい人が集まる診療科横断型の学会で珍しい形式のものです。
創設当時と比べて、それぞれの分野において内容が細分化されたり、目覚ましいテクノロジーの進歩で発展している分野がでてきたりして、
往々に細分化されていて他領域の先生方がどのような診療や研究を行っているかわかりにくくなっています。
日本循環制御医学会では自分たちとは異なる診療科や研究室でどのような循環制御に関するテーマがトピックスになっていたり、新たな研究がされていたり知ることができます。
そして他領域の先生方を巻き込んで新しい研究や診療に役立つ発想を得て、交流を深め新しい知識や技術、診療方法を開発・実践できるきっかけとなる学会になってほしいと願っています。
私はそのために微力ながら皆様のお役に立てればと存じます。
歴代の理事長の先生方も学会員の獲得にご苦労されていましたが、自分もいざ理事長に就任すると、会員数を増やす方策がすぐには思いつきません。
地道に循環というテーマで循環制御に興味がある方々にこの学会を知ってもらい、入会していただきたいと考えています。
皆様の中でご意見やご提案があれば遠慮なくご連絡ください。今後ともよろしくお願いいたします。